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膠原病グループ

免疫・膠原病グループとは

免疫・膠原病グループは、以下の3つを診療の柱としております。

  1. 国内屈指の診療経験に基づいた適格な診断
  2. エビデンスに基づいた適切な免疫抑制療法や分子標的療法の実施
  3. 難治性膠原病に対する高度医療

国内屈指の診療経験に基づいた適格な診断

当グループは、膠原病の診療を中心に行っています。膠原病は、病因からとらえると自己免疫疾患、症状からとらえるとリウマチ性疾患、病変部位からとらえると結合組織病と呼ばれるような複雑な疾患群であり、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、強皮症、多発性筋炎/皮膚筋炎などが含まれます(図1)。

全身の様々な臓器が障害されるため、診療科横断的な知識が必要とされます。当グループは、1965年(昭和40年)に膠原病の診療を開始しており、国内でも屈指の診療経験があります。関連病院も九州内のみならず、中国・四国地方もカバーしており、大きな診療グループを形成しております。これらの歴史と豊富な臨床経験に基づき、複雑な病態を呈する膠原病に対し、適格な診断を行っています。

また当科心血管グループ、整形外科、皮膚科、眼科、口腔外科とも密に連携し、全身の多彩な症状に対応しています。自己炎症疾患(家族性地中海熱、TNF受容体関連周期性症候群)やIgG4関連疾患、TAFRO症候群などの最近新たに確立した疾患も、積極的に診療しております。

エビデンスに基づいた適切な免疫抑制療法や分子標的療法の実施

診断が確定した患者様に対して、エビデンスに基づいた免疫抑制療法や分子標的療法を、安全性を保ちながら適切に行います。近年、リウマチ・膠原病領域の治療は飛躍的に進歩し、様々な免疫反応やサイトカイン、細胞内シグナル伝達分子を標的として治療することが可能になりました。これらの新規薬剤の治験や市販後調査の結果を正しく解釈し、既存薬剤と組み合わせ、適切な薬剤選択を行います。また治験や多施設共同研究、ガイドラインの策定への積極的な参加により、新たなエビデンスの構築にも貢献しています。更には、免疫抑制療法や分子標的療法の基礎研究も同時に行い、分子メカニズムに基づいた論理的な薬剤選択が可能となることを目指しています。

難治性膠原病に対する最先端医療の実施:先進医療 自己造血幹細胞移植

全身性硬化症は皮膚硬化と多臓器病変を特徴とする自己免疫疾患です。全身の皮膚硬化や重要臓器病変を伴った重症例の5年生存率は50~60%と不良です。そこで自己反応性リンパ球の根絶と免疫の再構築を目的とした自己造血幹細胞移植療法を併用した骨髄破壊的大量化学療法が、欧州や米国で開始されました。臨床第III相比較試験における長期の無再発生存および生存率が、標準治療群より移植療法群において優れていることが報告され、生命予後を改善しうる唯一の治療として注目されています。同試験では自己反応性リンパ球の再輸注を避ける目的で、造血幹細胞の表面マーカーであるCD34を用いて造血幹細胞を純化した移植が行われました。

日本国内では、当科でも2002年から2012年まで「難治性自己免疫疾患に対する自己造血幹細胞移植の安全性と有効性を検討する臨床第I/II相試験」を行いました。重症全身性硬化症19例に施行し、5年間にわたる皮膚硬化の改善、間質性肺炎の進行抑制及び生存率の改善を認めました。

この結果に基づき、本療法は2017年8月、厚生労働省から「先進医療B 重症全身性硬化症に対する新規治療」として認可を受けました。未承認医療機器であるCliniMACSを用いてCD34陽性造血幹細胞を純化し、シクロホスファミド大量療法を移植前治療とした自己造血幹細胞移植療法を実施し、その効果を12例で再評価します。将来的には本療法が保険診療として承認され、全国で施行できる治療となることを目指しています。

カンファレンス日程

膠原病グループ臨床カンファレンス

開催日時 毎週月曜日16:30 – 18:00
開催場所 九州大学 医学部 臨床研究B棟6階 図書室

膠原病グループ研究カンファレンス

開催日時 毎週木曜日 18:30 – 19:30
開催場所 九州大学医学部臨床研究棟1階 多目的会議室