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第一内科の医師にインタビュー:内藤宏先生

2022/03/09

第一内科の医師へインタビュー企画第2回目。
今回は、医師3年目の内藤宏先生に、感染症内科を選択した理由や、感染症専攻医として初めて診療に携わった1年の思いなどを話してもらいました。

左:西田知也(医師5年目, 聞き手) 中央:内藤宏(医師3年目, 話し手) 右:土井吾郎(医師9年目, 聞き手)

臓器を絞らず“全身を診る”

土井先生
初期研修医を終えて、感染症内科への専門科への道のりをまさに歩み始めた内藤先生にお話を聞いてみたいと思います。まず、今年1年間を振り返って、研修医時代と何か変化があったら教えてください。

内藤先生
はい。カルテの主治医欄に自分の名前があるのを見て、かなりドキッとしたことをよく覚えています。責任を負う立場になったんだと改めて実感しました。一方でもともと単一臓器を診療する科に行くつもりがなかったこともあり、患者さんの全部を診るんだというつもりで研修していたので、研修医から主治医へと立場は変わってもやることは変わらない、と今では開き直って診療に従事することができていると思います。

土井先生
なるほど。確かに初期研修医の頃から色々な科をローテーションをして、各臓器の内科的知識を意識的に蓄えていくことは、感染症内科のような全身をみる専門科への診療の第一歩においても役立つことが多いかもしれないですね。僕も全身を診察し、診断してという、いわゆる全身を診られる内科、オールマイティーな医師に早くから憧れをもっていた一人です。第一内科らしい診療を表現する際に、よく「臓器を絞らず全身を診る」という言葉が用いられます。そういった診療スタイルに対する共感から、第一内科に興味を持ってくれて、仲間になってくれる人もたくさんいますよね。

内藤先生
はい。自分にとってもモデルとなる先生がいっぱいいる診療科だと思っています。

膠原病内科ローテーション中にも気がついた“全身を診る”伝統

土井先生
内藤先生は感染症内科を専攻する中で、現在は膠原病内科もローテートにきていただいています。先生から見て、膠原病内科の診療はどのように映っていますか?

内藤先生
身体診察で所見をとって、それをカルテに記す過程を最初に教えていただいたときに、とてもびっくりしたのを覚えています。現時点では何も障害が起きていない臓器についても、今後何かが起きる可能性を考えて、臓器障害の評価をすべてカルテに書き残して、引き継いでいく。そういう診療の姿勢にすごく興味深く感じました。免疫異常という、揺れ動きの大きくて、そしてあらゆる臓器をおびやかしていく可能性のある疾患だからこその診療文化というか、伝統がそこにはあるんですよね。

西田先生
そうですね。“全身を診る”という文化は第一内科の各診療科に共通していているものではありますが、内藤先生がおっしゃるように、各専門科で異なる味というか面白さもあると思います。

未知の世界を歩むワクワク感

土井先生
感染症診療といえば、個人的に是非聞きたいことがあります。コロナ(SARS-CoV-2)が大流行をみせる中で、感染症内科医として1年間働いたことについて、感想や、何か特別な思いがあれば教えてもらえませんか?

内藤先生
コロナを診た感想を一言で表現しようとすると、“何も分かっていない”、という言葉が出てきます。確証があまりない中で診療をせざるを得ない、というところです。この薬が絶対に効く、などという確証がない中でも、現実に患者さんは目の前にいて、日々うつろいゆく病態のバランスを取っていく、という感覚はすごく興味深い経験でした。日常の血液検査の結果でさえ、もしかしたら僕が何か大きな発見をするかもしれない、そのヒントが目の前にあるのではないか、と妄想(笑)をしながら、診療するのはすごくワクワクしましたね。

土井先生
診療の中での、新しい発見ということですね。そういう未知の世界というのは僕も個人的にすごく好きです。膠原病診療にも共通するところがあるかもれません。新しい治療が始まるタイミングなどはそういったチャンスですよね。医師として一生やっていく上で、一生興味を失わない、一生好奇心を持てる、そういった部分かなと思ったりもしますね。

今後の進路について

土井先生
最後にお二人にそれぞれ聞きたいのですが、今後の進路について、研究の道、具体的には大学院進学を考えたりしていますか?

西田先生
そうですね。私は数年以内に大学院に進みたいなぁと、漠然とですが考えています。臨床系の研究をしてみたいなと思ったりもしますが、具体的に何をしたいというのはいまいちよく分からないところもあって。みんなそんなものじゃないかなとは思いはするんですけど。

土井先生
人によっては、「こういうことをやりたい」というのをちゃんともって大学院に進む人もいます。でも、僕も含めて、やってみないと分からない、というところは多分にあると思いますし、「何となくやりたいなぁ」という感覚で研究をしてみるのも、個人的にはありかなと思ってはいます。臨床系の研究の利点としては、やはり日々の診療に近いところの研究ができるので、その先の自分自身のための経験値という意味でも、直接的な糧になりますし、知識についても分野が近いと役立つものが多いかなと思います。

内藤先生
僕も研究はしたいなと思っています。今はウイルス学が流行っていますし、ウイルスを扱う基礎系の研究室で研究できたらいいなと漠然と考えているところです。

土井先生
これも個人的な経験を通じた話にはなりますが、もし研究をやってみたいというのであれば、具体的な目標とかは追々でいいので、とりあえず足を踏み入れて経験してみることで面白い4年間に繋がることもあるのかなと思っています。第一内科は、そういった窓口になりやすい診療科だと思うので、研究に興味のある学生さんだったりとか、研修医の先生も直接お話に来てもらったり、見学に来てもらうとより具体的な話ができるかもしれないです。

それでは、今日はこの辺で終了といたしましょう。内藤先生、西田先生、お話いただきありがとうございました。

内藤先生・西田先生
ありがとうございました。