九州大学医学部 第一内科

医学生・研修医のみなさん

  • 新入医局員募集
  • メッセージ&レポート
  • OB・OG紹介
  • イベントレポート

九州大学医学部第一内科教室

〒812-8582 福岡市東区馬出3-1-1
[TEL] 092-642-5228
[FAX] 092-642-5247

研究紹介

>ホーム>研究紹介>輸血センター(遺伝子細胞療法部)>基礎研究

輸血センター(遺伝子細胞療法部) 輸血センターのホームページはこちら

  • 基礎研究
  • 研究室メンバー

アレルギー性炎症システムの解明

今や「国民病」とも呼ばれるアレルギー性疾患ですが、その病態や治療に関しては、依然として解決すべき多くの問題が残されています。アレルギー性炎症は、Th2 細胞を中心とした「Th2 cell paradigm」と呼ばれる概念に基づき議論されてきました。これは、Th2型サイトカイン(IL-4, IL-5, IL-13)と抗原特異的IgEがアレルギー性炎症を引き起こすという考え方です。しかし一方、Th2 cell paradigmのみでは説明できない現象(非アトピー性喘息、ウイルス感染による喘息の悪化)の存在も知られており、Th2細胞に依存しないアレルギー性炎症メカニズムもあるのではないかと予測さえていました。ここで近年注目されているのが、Epithelial cell-derived cytokineと呼ばれる気道や消化管粘膜上皮から産生される上皮細胞由来サイトカイン(TSLP, IL-25, IL-33)です。アレルゲン刺激により上皮から産生された上皮細胞由来サイトカインは、Th2細胞を介する事なく、直接、好酸球・好塩基球・肥満細胞を刺激してアレルギー性炎症を惹起できることが明らかになり、これが新たなアレルギー性炎症メカニズムではないかと考えられているのです。

図:新たなアレルギー性炎症モデル

我々、アレルギー研究部門では、造血分化研究グループとともに、好酸球・好塩基球・肥満細胞の制御によるアレルギー性疾患の治療を目指して、研究を行っています。我々は既に、マウス好酸球・好塩基球・肥満細胞に分化する最も上流の前駆細胞の同定に成功し、これら細胞の分化制御メカニズムを明らかにして来ました。更に、これら前駆細胞の一部は、上皮細胞由来サイトカインのレセプターを既に発現しており、このシグナルを受け反応できる事もわかって来ました。これらの前駆細胞は、アレルギー性炎症制御を目指す上で、非常に良い治療標的になり得ると考えます。アレルギー性炎症システムを、マウスモデルを用いて明らかにし、その成果をヒトに応用する事により、アレルギー性炎症の理解のみでなく、新たな治療法の開発に貢献できればと、日々努力しております。

(参考文献)
Arinobu Y, et al. Developmental checkpoints of the basophil/mast cell lineages in adult murine hematopoiesis. Proc Natl Acad Sci USA 102: 18105-18110, 2005

Iwasaki H, et al. The order of expression of transcription factors directs hierarchical specification of hematopoietic lineages. Genes Dev 20: 3010-3021, 2006
Arinobu Y, et al. Origin of basophils and mast cells. Allergol Int 58: 21-28, 2009

血液グループについてはこちら 自己免疫学分野の研究はこちら

Copyright© DEPARTMENT OF MEDICINE AND BIOSYSTEMIC SCIENCE KYUSHU UNIVERSITY FACULTY OF MEDICINE All Right Reserved.